Perfection is evil. -part 1-

トム・リベッキー(Tom Ribbecke)に学んだことは数え切れないほど多くあります。技術はもちろん、それ以上に、それを支える哲学を学んだように思います。

タイトルのフレーズ”Perfection is evil.”は今でも、今後も、あらゆる場面での指針です。それについて過去に書き留めた文章を、加筆修正して再録します。(以下、再録)

どの工程にも言える事ですが、きっちり完璧にやろうとすると、逆に失敗の憂き目にあうこともあります。例えばフレットを交換し、すり合わせをする際、しっかり平面を出そうとすると、削りすぎてフレットが薄くなってしまう危険性を孕んでいます。せっかく交換したのに薄くなってしまっては、元も子もありません。

どの作業も、理想としては完璧を目指すとしても、現実問題としては、全体とのバランスの中での適度な「頃合」を探ることになるのです。

トム・リベッキーに教えてもらった二つのフレーズ

“Perfection is evil.”(完璧は悪→完璧主義になるな)

“Don’t go crazy.”(狂ったようにやるな→やりすぎは禁物)

は、「完璧を目指しつつ完璧の罠にはまらない」その頃合を的確に表現したもので、脳裏に強烈に焼きついています。

特に私は、完璧主義者的な傾向があり、それを見抜いてのアドバイスだったのでしょうが、彼の求めるものは正に完璧そのものだったので、完璧を要求しつつ完璧主義になるな、とは、なんとも酷な話だと思ったものです。しかし、そのせめぎ合いの中でこそ、技術は磨かれていくのかもしれません。

(執筆:2009年2月24日)

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